Classiques japonais avec furigana
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ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
Lisez 禰宜様宮田 (ねぎさまみやた) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 662 caractères · 68 écrans
これは毎日の彼のお役目にされてしまったのである。
あっぱの宮田は、ほんとにはあ機械同然だ。何をしても憤らなきゃあ、小言も云わない。頼むぞと云いさえすりゃあ否と云えねえ爺さまだ。
強い者勝ち、口の先だけでも偉そうな気焔を吐く者が尊ばれるこういう仲間では、黙って何でも辛棒する禰宜様宮田は、一種の侮蔑を受ける。彼の美点であり、弱点である正直などこまでも控目勝ちなところを彼等は、どしどしと利用するのである。
利用するとまではっきり意識しないでも、皆があまりぞっとしないことを、禰宜様宮田のところへさえ持って行けば遣ってくれるから、どうしても彼に押しつけるようになる。
度重るにつれて、だんだん遠慮のなくなった彼等は、このごろではまったく彼を使う。どこかで勢力を張らないではいられない彼等は、ただ一人の禰宜様宮田を対照として、各自の自尊心を満足させるのである。
ちょうど、たくさんいる小使の中でも、どっちかといえばお人好しで、他人を批難することの出来ない男が、いつも小利口に立ちまわる者達の、下廻りをしなければならないと同じような状態なのであった。
いくらバケツは大きくとも、底が痛んでいるので、一杯汲み込んでも来ただけの道を戻って行く時分には、水は七分目ぐらいに減ってしまう。