Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わたしのはは
私の母
堺 利彦
Lisez 私の母 (わたしのはは) de 堺 利彦 (さかいとしひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 425 caractères · 11 écrans
すると、母はちょうどお膳ごしらえをしていたのだが、とつぜん醤油つぎを引っくりかえした。赤黒い醤油がたくさん畳の上にこぼれた。母は慌ててそれをツケギで掬い取るやら、そのあとを雑巾で拭くやら(恐らく父に内証にするため、大急ぎで)していたが、「こんなことになるのも、お前があんまり言うことを聞かんからじゃ」とまた私を叱りつけた。私は非常に不平だった。私が言うことを聞かんのは悪いだろう。しかし、醤油つぎを引っくりかえしたのはまさに母のそそうである。自分のそそうの責任を私に塗りつけるのはひどい。私はそんな意味で大いに憤慨した。我が尊信する母、我が敬愛する母といえども、腹立ちまぎれには、やっぱりこんなことを言うのかと。
考えて見るに、私は父と母とから、ちょうど半々ずつくらい性質を遺伝したらしい。体質の方では、父も小さいし、母も小さいし、そして私も小さいのだから、文句はない。しかし、私が小さいながらやや頑丈な処があるのは、母の方から来たのかとも思う。母は強いという方ではなかったが、母の弟たる「志津野のおじさん」などは、ずいぶん大きな、しっかりした体格であった。性質の方では、私に多少の才気があるのは父の方から来たのであり、幾らか学問好きで、そして少しゆっくりしたようなところがあるのは、母の方から来たのだと思われる。