Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わたしのちち

私の父

堺 利彦

Lisez 私の父 (わたしのちち) de 堺 利彦 (さかいとしひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 750 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

「オ! 赤いぞな!」と母がまず希望の叫びを揚げる。やがてグウグウ、ザクザクと、その胴体が二個の半球に切り割かれた時、「ほう! 見事じゃのう!」と父がサモ嬉しそうな感嘆の声を発する。その中、半球がさらに二つに割かれて、ザクリ、ザクリ、赤い山形が続々と切り出される。私らは物をも言わずに、いきなりそれにかじりつくのであった。ただ一つ私の不満で堪らないのは、父母が馬鹿に念を入れた、腹下しの用心からして、ついぞ一度も、思う存分、食わせてくれなかったことである。

西瓜について一つおかしい話がある。お隣り――と言っても、裏の松山の間の小道を二十間ばかりも行った処だが――そのお隣りの中村という家では、どういうものか西瓜を作らない。「あそこの嫁嬢は西瓜が大好きじゃちゅうのに一度も食べんで気の毒じゃ」と言うので、ある日の西瓜切りの時、母がその嫁嬢を呼んで来た。嫁嬢は大喜びで散々食べて行った。ところが、その嫁嬢、ちょうど臨月であったのだが、その晩、急に産気がついた。サア私の内では大心配をした。西瓜が当ったのではあるまいか。もしかそうだとすると申しわけがない。余計のことをせねばよかった! ことに母は、気が気でなく騒いでいた。