Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Lisez 私本太平記 (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 116 638 caractères · 233 écrans

Aozora Bunko

御母の広義門院は反対で、初め、どうしてもお許しになるみ気色でなかった。それを幕府は力で迫り、公卿の一条経通や二条の関白良基らも、古例や先例や、いろんな理窟をつけてついに、北朝の後光厳天皇として、践祚を見るにいたったものだった。

「受禅(皇位譲渡の式)もなく、上皇の詔もなく、また神器もここにありませんが、尊氏は剣です、良基(二条関白)は璽(印)です。これを神器とすればよろしい」

と、良基はいったという。まったく前例も無視して強行された天皇の誕生だった。

義詮は、京都に。

尊氏は、遠く鎌倉に。

この変則的なかたちはほぼ一年の余つづいた。

ところがここへ来て、九州の足利直冬は、南朝からうけた綸旨を名分に、正平八年の夏、大挙して都へ攻めのぼってきた。

おそらく、鎌倉で毒殺された直義のことは、彼をいからせ、彼を一ばい奮然と蹶起させたにちがいあるまい。

実父の尊氏よりは、直義こそほんとの父だとしている直冬なのである。そのひとの遺志をついで、南朝方に降り、尊氏や義詮を敵として誅伐するのが何の不思議であろうやと、豪語を放ったことであろう。

南朝軍は、もちろんこれに呼応して、直冬と共に、京都へせまった。