Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Lisez 私本太平記 (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 598 caractères · 254 écrans
「はい」
「わしたちのことをか」
「もしや、と存ぜられますが」
「ど、どんな取沙汰を」
夜目だが、菊王の語気、ただの形相ではなかったようだ。
が、男は自己の善意にかたく拠って、それは人も善意で汲んでくれるものと、信じている口ぶりだった。
「さ……。その儀でございますが。ここは、さりげのうお別れした方がよいか、または、存ずる旨を、ありていにお告げ申した方が正しいだろうか、夫婦して、お身の上なども、思い迷うたのではございましたが」
「…………」
「しかし、行きずりの御縁と見すごし、万一にもお行き先にて、取返しのつかぬ厄にでもお遭いなされたら、てまえども夫婦は、生涯の悔いを心のそこに噛むことであろ。……妻もさように申しますし、てまえも、さこそと心が決まりましたので、俄に櫓を把って、かくはお跡を追うてまいった次第でございまする」
「ふうむ」
なんのために。また、何を知って。
もう菊王の一存では、返辞のかぎりでもないし、判断もつかなかった。彼のあいまいな唸きは、舟底で聞いているであろう俊基の意志を待つまでのつなぎだった。
「……菊王」
「はっ」
「悪意の者ではなさそうな」
「と、私も存じますが」