Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あきのはんしゃ
秋の反射
宮本 百合子
Lisez 秋の反射 (あきのはんしゃ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 234 caractères · 9 écrans
「婆やつき合がひろいから、暇乞いだけでも容易であんめ?」
「早く上らなくちゃならなかったんですがね、一日に二とこは歩けないもんだから」
「そうともよ」
出した茶を、婆はごくり、ごくり、喉に音をさせて飲んだ。それぎり又ぼんやり井戸前の早咲黄菊を眺めている。――
植村婆さんは可哀そうな気がして来た。
「まあお前も、姪のところで悠くり休まっせ。――他人の中よりはいいわな、何てっても血道だもんなあ」
沢や婆は、又返事をしなかった。彼女は手間をかけて信玄袋の口をあけ、中から長田の女隠居のくれた頭巾と着物を出した。
「――これを御隠居さんにいただきましたよ」
植村の婆さんは、婆の慾ばりが憎いような心持がした。人に見せ、此位にしてやる人もあるのだと思わせ沢山貰おうとする。彼女は、さりげなく、
「俺、前に見たわ、御隠居が出して来て、これ婆やにやろうと思うがどうかと相談しなすった――あれだろう?――うん、これよ」
沢や婆は、不服気に仕舞い込んだ。
「――柳田村だっけな、婆やの姪の家は――あすこまで大分有っぺえが――歩けるかい」
「仙二さんが、荷車に乗せてってくれますってよ」
……もう土間の隅では微に地虫が鳴いている。