Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あきのまぼろし

秋の幻

豊島 与志雄

Lisez 秋の幻 (あきのまぼろし) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 242 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

」と暫くして母は云った。そしてその言葉で、二人の心は一つに融けて、秋の高い大空のうちに吸い込まれていった。

夕方から晩になると、田舎の村落は恐ろしいほど静まり返った。ランプの火の燃ゆる面がかすかに聞き取られた。そして彼と母とは、よく縁側で月を眺めながらも、虫の音に促さるるようにして、一人の小さい下女に戸締りをさして床に就いた。

朝は早く起きた。それでももう朝日の光りは朝靄を通して、露の玉を葉末にきらきらと輝かしていた。遠くから、鶏の啼く声がしたり、野に出る馬の嘶く声が聞えたりした。男等は皆稲の取り入れに出かけていた。そして朝の用事をすまして後から出かける女達が、彼の家の前を通って行った。清らかな空気が野の上を渡って来て、村落の上に靉いている朝靄と替炊の煙とを吹き流した。

父の死後、田畑は皆小作に入れていたが、それでも広い屋敷の裏の方に、彼等は野菜畑を持っていた。種々な野菜の他に里芋や薩摩芋まで作っていた。それは母と彼とのいい運動だった。朝露の乾く頃、彼等はよく鍬を手にして裏の畑の中に立った。

彼は下駄をぬぎ捨てて黒い地面の上に踏み入った。蹠には黒土の露に濡った冷たさが感じられた。