Classiques japonais avec furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lisez 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) de 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 84 829 caractères · 169 écrans
雲雀のような、たのしげな鳥の声が流れて来るのだ。
これは一体、どこだというのだ!
洞窟を出た三人は、思わず顔を見あわしてしばらく呆然と立っていた。
春風のように、花や緑の香を乗せたそよ風が、三人のしめった髪や、着物をこころよく撫でて行く。
「これは、すこし見当をちがえたのかも知れんぞ!」
謙一は、そう呟いたが、眸は、遠い昔のたのしい夢を見たように微笑んでいた。
ぼうぼうと剃らないままにのびた髯、うすぎたないシャツと半ズボンで立っている姿があたりの景色にそぐわない、ひどく滑稽なものに見えたので、英夫も祥子もおなじような自分たちの姿のことも忘れて声を立てて笑った。
この不可思議な街は、たしかに人の歩いている姿が見えるのに、音もなく、ひっそりとしずまりかえっていた。
街からすこしはなれた緑の丘には、金色まばゆい殿堂が建っていて、紅地の旗が、そのまん中の、丸い白銀色をきらめかして、高い旗竿にひらひらとひるがえっているのだった。
それは日の丸の旗とは反対に、紅地に白く日輪を染め抜いた日輪旗であった。
日輪王国
「そうですか、それでは今、日本を大東亜の盟主とする大東亜戦争が始まっているんですね……」