Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんのゆうしゅう

秦の憂愁

豊島 与志雄

Lisez 秦の憂愁 (しんのゆうしゅう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 389 caractères · 19 écrans

Aozora Bunko

然し星野に言わすれば日本には本質的な新旧間の断層はなかった。

然し秦に言わすれば、支那にもそういう本質的な断層はない筈だが、断層があるように見える現象を心から泣いたのは、あの偉大な作家魯迅だった。

然し星野に言わすれば、万国公墓の魯迅の墓に肖像の焼き付けを嵌め込んだ、あの俗悪さに、魯迅は一層泣くだろう。

話はこのような筋途を辿っていったが、秦は次第に憂鬱になってゆき、随って言葉も少くなっていった。その秦の肩を叩いて、星野は繰り返し言うのだった。

「も一度、詩に立ち戻りませんか。僕達は君の詩作を翹望している。世界の情勢は君の詩心を誘発せずにはおかない筈だが……。」

星野はさすがに、戦争のことを直接に言うのを避けた。然し、詩のことが話題に上ると、秦はすぐに言葉をそらしてしまった。

「少し腹ごしらえに出かけましょうか。」

話の最中に秦はたち上った。張を亭主の方へやって、星野を促して外に出た。宵の街路は雑踏の盛りにあった。肩々相摩する人込みは、それでも何の澱みも作らずに流れ動いていた。不思議に秩序ある混雑だった。秦はその間を巧みにすりぬけつつ、星野を競馬場の彼方へと導いていった。