Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
Lisez 空襲警報 (くうしゅうけいほう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 838 caractères · 92 écrans
「……アノ奥さま。いま変な男が、井戸のところをウロウロしているのでございますよ。……故紙業のような男で……」
「アラそう?」
「いえ奥さま。それが変なんでございますよ。ジロジロと井戸の方を睨んでいるのでございますよ。……ああ、わかりましたわ。あのひと、井戸の中の西瓜を狙っているのでございますわ。西瓜泥棒……」
「これ、静かにおし……」
西瓜泥棒と聞いて、旗男はソッと硝子戸のすきまから外を覗いてみた。なるほど、いるいる。暗いのでよくは分からないが、頬被をした上に帽子をかぶり、背中にはバナナの空籠を背負っている男が、ソロソロ井戸端に近づいてゆく。……
――怪しからん奴だ。……しかし、西瓜ならもう家の中に取りこんであるからお生憎さまだ。ハハンのフフンだ。――
と、旗男はなおも眼をはなさないでいると、かの男は、見られているとも知らず、井戸の上に身体をもたせかけると、右手をつとのばして何か井戸の中へ投げいれた様子、カチンと硝子が割れるような音が聞えた。一体何を入れたんだろう?
と、とたんにあらあらしく玄関の格子戸が開いて、
「コラ待て……」
と、飛びだしていったのは国彦中尉。