Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぬすむおんな
窃む女
黒島 伝治
Lisez 窃む女 (ぬすむおんな) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 734 caractères · 18 écrans
そして、暫らくして台所へ這入って来た。
清吉は眼をつむって、眠むった振りをしていた。妻は、風呂敷包を片隅に置いて外へ出た。
昼飯に、子供をつれて彼女は帰って来た。
「お母あ、どんなん買って来たん?」
子供は、母にざれつきながら、買ったものを見るのを急いだ。
「これ、これだ。」
「うちにゃどれ?」
「これ。品にゃこれ……。きみにゃこれ……」
お里は風呂敷包みの一方だけ開けて、品ときみに反物を見せた。清吉はわざと見向かないようにしていた。
「お母ア、コール天の足袋は? 僕のコール天の足袋は?」友吉がわめいた。
「あ、忘れとった。」お里はビクッとして「忘れてしもうとった。また、今度買うて来てやるぞ。」
「えゝい。そんなんやこい。姉やんにゃ仰山買うて来てやって、僕にゃ一つも買うて呉れずに!……コール天の足袋、今日じゃなけりゃいやだ!」
「明日買うてあげるよ。」
「えゝい、今日でなけりゃいやだ!」友吉は小さい両手で、母親を殴りつけた。
「よし、よし、じゃ、もうそうするでない。晩に新店へでも行って来てあげるから。」
お昼から、お里が野良仕事の為初に、お酒と松の枝を持って畠へ行ったひまに、清吉は、寝床から這い出して、そっと、風呂敷を開けて見た。