Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぬすむおんな

窃む女

黒島 伝治

Lisez 窃む女 (ぬすむおんな) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 734 caractères · 18 écrans

Aozora Bunko

そして頭の中に不快なもがもがが出来ていた。

「これ二反借って来たんは、丸文字屋にも知らんのじゃけど……」

もう行ったことに思っていたお里が、また枕頭へやって来た。

「あの、品の肩掛けと、着物に羽織は借って戻ったんを番頭さんが書きとめたけんど、これ二反はあとから借ってつけとらんの。……」

「何だって?」

「この二反も、一と口ことわっとかにゃ悪いと思うて、待ちよったけれど、客が仰山居って旦那も番頭も私なんどにゃ見向いても呉れんせに、黙って借って来たん……。」彼女は弁解するようにつゞけた。

「それでどうするんだ?」

「……」

「向うに知らんとて、黙って取りこむ訳にはいかんぜ。」

お里は何か他のことを二言三言云った。その態度がひどくきまり悪るそうだった。清吉は、自分が云いすぎて悪いことをしたような気がした。

お里は、善良な単純な女だった。悪智恵をかっても、彼女の方から逃げだしてしまうほどだった。その代り、妻が小心で正直すぎるために、清吉は、他人から損をかけられたり儲けられる時に、儲けそこなって歯痒ゆく思ったりすることがたび/\あった。

彼は二十歳前後には、人間は正直で、清廉であらねばならないと思っていた。