Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まどにさすかげ

窓にさす影

豊島 与志雄

Lisez 窓にさす影 (まどにさすかげ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 068 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

女は安心して、電燈を消して寝た。

――そのようなことが何度かあった。そして男の方も女の方も、相手の顔が時々のっぺらぽうになるのは、あまりその顔を撫ですぎたからだと考えた。けれど、その顔のことや自分の考えのことは、胸の中に秘めて、相手には打ち明けなかった。そして次第に、夜眼を覚しても、相手の顔を撫でなくなった。

それだけの話なのである。けれど、つまらない話だといくら思っても、私の頭からそれが消えなかった。ばかりでなく、私は実際、のっぺらぽうの顔を見た。

その晩、祖母の気分がだいぶよいようだから、私は自分の室にはいって、久しぶりに、ドストエフスキーの飜訳小説の続きを読んだ。けれど、睡眠不足が重っていて、頭が冴えないので、早めに寝た。鏡台も机も縁側の方を向いており、蒲団も縁側の方を頭にして敷くことになっている。それで、横向きに寝ると、窓が真正面に見える。暫くとろとろとして何かの気配に眼を開いてみたら、窓の硝子戸の一枚だけが、ぼーっと明るかった。その明るいところに、なんだか物影がさしていた。見ていると、物影は伸び上って、それが、眼も鼻も口もないのっぺらぽうの顔だった。