Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わらうあくま

笑う悪魔

野村 胡堂

Lisez 笑う悪魔 (わらうあくま) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 687 caractères · 55 écrans

Aozora Bunko

「勇か、丁度宜いところだ、――お前に鑑定して貰い度いものがあるんだよ、――此方へ来てくれ、刀だがネ、――お前は刀剣の方は通だったね」

大階段の上から顔を出して、千種十次郎は助け舟を出しました。

「有難い。――そいつは俺の畠だ。何を隠そう本阿弥の勇とは俺のことなんだ」

勇は外套を着たまま、帽子を鷲づかみに、大きい階段を二つずつ飛んで、二階の千種の方へ驀進するのです。頑強な関守の本田大助も、斯んなのに逢ってはどうすることも出来ません。

二階の広間には、丁度此時駆け付りた、警視庁の花房一郎を中心に、捜査の最初の会議が開かれて居たのです。

名探偵の花房一郎は此時もう四十を越した筈ですが、打ち見たところは千種十次郎や足の勇と大した違いの無い若さで、俊敏な眼と、歯切れの良い言葉と、そして機智に富んだ応対を除けば、何んの特色もない、まことに平凡な中年の紳士――というよりは、唯のサラリーマンにしか過ぎません。

大学を途中で止して平巡査から叩き上げ、長く巡査部長の肩書を持って居りましたが、近頃漸く特別任用で警部になったばかり。まことに気の長い出世振りです。本人は併し探偵そのものが面白くてたまらないらしく、学友が重役にも大臣にもなろうと言うのに、相変らず此道に没頭して、警視庁の至宝という地位に甘んじて居ります。