Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わらうあくま
笑う悪魔
野村 胡堂
Lisez 笑う悪魔 (わらうあくま) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 687 caractères · 55 écrans
これは虎井満十でした。
「月給前借術とか、弁当屋口説き落し術なんてえのは、芸術のうちに入らんかね」
足の勇は潤滑油が利いて、すっかり舌が軽くなって居ります。
「ところで、話はもう一度元に還るが、千種君は本当に品行方正かい、――東京ポストの社会部長たるものが」
花房一郎はそればかり気にして居ります。
「恋人があるのだよ、警視庁の探索も其処までは届かないのか」
「恋人?」
「驚くなよ、花房探偵、若い男が恋人を持ったところで、警視庁のブラック・リストに載せるほどの事件じゃない」
足の勇は泰然とした態度です。
「千種君はもう若くないぜ、それにしても相手は誰だ、芸者か女給か」
「いやになるぜ、千種十次郎は紳士で人格者で清教徒だと言ってるじゃないか、その恋人が白粉臭い雌であってたまるものか」
「まア、勘弁しなよ早坂君、ツい岡っ引根性が出たんだ」
「本人がそう言うんだから、花房探偵憎気が無いよ、――斯うなると兄貴の名誉のために、神聖なる恋人の名前は発表しなきゃなるまいな、――驚くなよ」
「驚くものか、小野の小町とでも、ジュリエットとでも言って見ろ」
「そんな嫌なんじゃない、何を隠そう、千種十次郎の恋人というのは、熊谷合名の社員潮田春樹の妹で、美保子さんだよ、――島崎藤村の詩に詠まれたような、純情可憐な処女だ」