Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
そまつなはなたば
粗末な花束
宮本 百合子
Lisez 粗末な花束 (そまつなはなたば) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 227 caractères · 13 écrans
夜になると、商売が単に商売――物品と金銭との交換――とはいえない面白さ、気の張りを持たせる同じ店頭に、今は日常生活の重さ、微かな物懶さ、苦るしさなどが流れている。私が何故そう奇麗でもない昼、夕刻にかけて散歩したかといえば、夜では隠れてしまう生活の些細な、各々特色のある断面を、鋪道の上でも、京橋から見下す河の上にでも見物されたからである。それに、昼間から夜に移ろうとする夕靄、罩って段々高まって来る雑音、人間の引潮時の間に、この街上を眺めているのは面白かった。私はライオンの傍の電柱の下で、永い間群集を見た。四辺が次第に鳩羽色となり、街燈がキラキラ新しい金色で瞬き出すと、どんな人の顔にも、何か他の時と異った一つの表情が現われた。誰でもひどく早足だ。四辻を横切りながら、自分の乗ろうとする電車の方ばかりに目をつけている。買いものの紙包みを持ち、小さい子供の手を引いた婦人の口元や眼には殆ど必死らしい熱心さがある。気の利いた外国風の束髪で胸高に帯をしめ、彼女のカウンタアの前ではさぞ気位の高い売り子でありそうな娘が、急いで来たので息を弾ませ、子供らしく我知らず口を少しあけて雑踏する電車の窓を見上げるのなどを認めると、私は好意を感じ楽しかった。