Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Lisez 糞尿譚 (ふんにょうたん) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 974 caractères · 99 écrans
何事だろうと思って店の敷居をまたごうとした時、また、電話のベルがけたたましく鳴り、彦太郎が受話器を取って耳にあてると、小森君? とまた阿部の声がし、云い忘れたが、来るとき、実印を忘れんように、と云ったまま、また、切れてしまった。変だなあと思い、トラック小屋に帰って来ると、タクシーが待っていて、小森さんでしょうと運転手が訊いた。要領を得なかったが、実印をポケットに入れ、自動車に乗った。阿部の家に行くものと思っていると、方角違いの方へ走るので、ますます不思議に思っていると、自動車は、いつか行った料亭千成の前で止まった。案内をされて入って行くと、何時かの部屋に、正面に阿部がまっ赤な顔をして胡坐をかき、両側にいつかの女と仲居とが居た。やあ、待ってました、さあさあ、こちらへ、と呂律もあやしい口調で、女ども、酒をどんどんはこべ、と阿部は自分の前のコップをとり、さあ、大きいので行こう、と彦太郎の眼の前につき出した。受けると自分で徳利を取って、こぼこぼといっぱい注いだ。もとより後に引かぬ彦太郎は、にやにやと笑い、コップに口をつけると、ごくんごくんと一息に飲み干した。