Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうばいつきげ
紅梅月毛
山本 周五郎
Lisez 紅梅月毛 (こうばいつきげ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 869 caractères · 32 écrans
「さあ、よく見て呉れ、こいつは風のようにとばすぜ」ひとりがそう云えば「まあこのすばらしい足を見ろよ」と別の男が云う、「そう眺めていたってしようがない、とにかくいちど乗ってみろ、ひと駆けすればこいつがどんな馬かわかるんだ」そんなことを口ぐちに叫びながら、みんな自分じぶんの馬をうまく心を惹くように曳きまわしたり、轡を小づいて嘶かせたりした。
半之丞は黙って興も無い顔つきでその馬の群を見まわしていたが、やがてその眼が吸いつけられるように或る一点へいって止った。そのようすに気づいて人々がふり返ると、門をはいった隅のところに、濃い栗毛のすばらしい逸物が一頭いた。……首の伏兎というところから脊梁、腰へかけての高く逞しい線、琵琶股から蹄へながれる緊った肉付きなど、見るからに逸物という感じである。これほどの馬は本多家中にもそう数多くはない。「ああ河内どのの馬だ」誰かがそう云うと追っかけて「見ろ、牡丹がいる」「河内どのの牡丹だ」と云い交わす声がつぎからつぎへと伝わっていった。それは老臣松下河内の飼い馬だった。飛騨の産で牡丹と号し、かつて京の二条城で徳川秀忠の眼にとまって所望されたが、河内はどうしても肯かなかったという由緒のあるものだった。