Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうばいつきげ
紅梅月毛
山本 周五郎
Lisez 紅梅月毛 (こうばいつきげ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 869 caractères · 32 écrans
「どうもよくないな」厩から出て来た半之丞は、憐れみのこもった眼で馬をみつめながら、平首から鬣のあたりを撫でた、「せっかく晴れの馬場へ出られるというのに、……これではだめだ」「なにかお催しでもございますのですか」娘は耀くような眼で半之丞を見あげた。お梶だけには半之丞はよく口をきいた、気が合うというのか、娘が控えめで諄いところがないためか、二人になるといかにも気がるに話をする。しかし今はなにかしらこころ重げで、うんと頷いただけだった、そして間もなく住居のほうへ去っていった。
明くる朝はやく松野権九郎が訪ねて来た。「おまえひどいやつだぞ半之丞」相対して坐るといきなり権九郎がそう云った、「昨日の入れ札におまえは自分の名を入れたろう」
半之丞はまじまじと相手を見るばかりでなんとも云わない、権九郎はもくぞう蟹のように毛の生えた手で膝を叩いた。「おれにはちゃんとわかっている、十六枚の札が十五枚まで半之丞であるわけがない、断じてあり得ないことなんだ、なぜかといえばだな」かれはにやっと笑った、「なぜかといえば、一枚はいった松野権九郎の札はすなわちおれが自分で入れたんだ」