Classiques japonais avec furigana
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こうもうけいせい
紅毛傾城
小栗 虫太郎
Lisez 紅毛傾城 (こうもうけいせい) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 403 caractères · 50 écrans
「のうフローラ、姉の才量で、今日から城内に、グレプニツキーを入れることにした。そして、黄金郷の在所を、じわじわ吐かせることに決めたのじゃ」
と言った横蔵の唇が、いつになく物懶げであったように、それから数日後になると、果たしてステツレルの出現と合わしたかのごとく、城内には、悪疫の芽が萌えはじめてきた。
それは壁という壁から立ち上がる、妖気でもあるかのように、最初横蔵に発して、さしも頑強な彼も、日に日に衰えていった。錐のような髯が、両頬を包んで、灰色がかった皮膚から、一日増しに弾力が失われていくのだ。
したがって、フローラの決意も、やがて下ろうとする自然の触手を思うと、いつか鈍りがちになるのも無理ではなかった。
ところが、それから一月後のある朝、思いがけなく横蔵が、胸に短剣を突き立てられ、うねくる血に彩られた、無残な姿を発見された。
その日は、垂れこめた雲が、深く暗く、戸外は海霧と波の無限の荒野であった。その夜慈悲太郎はフローラと紅琴を前にして、彼が耳にした、不思議な物音のことを語りはじめた。
「ちょうど、寅の刻の太鼓を聴いたとき、風にがたつく物の響き、兄の吐くうめきの声に入り交じって、それは、薄気味悪い物音を聴いたのじゃ。