Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

「もんしょう」の「わたし」

「紋章」の「私」

豊島 与志雄

Lisez 「紋章」の「私」 (「もんしょう」の「わたし」) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 201 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

、山下家の茶会に出席した「私」、それらのものだけを見ると、一見、普通の「私」と異らないもののようであるが、実はそうでなく、その「私」が全篇の中に浸透していて、それは単に叙述の便法として使われた傀儡ではなく、作者そのものと同一の地位にまで高まっている。この意味をはっきりさせるためになお云えば、山下家の第一回の茶会は、「私」が出席してその私の眼を通して叙述されており、後の茶会は、「私」が出席しないで普通の仕方で叙述されているが、それが両方とも同一の色調を呈している。これは、前者に於て「私」が無きに等しいものとなされてるからではなく、後者に於て、たとい「私」は姿こそ現わさないが、その影が全部に被いかぶさってるからであろう。

如何なる客観的手法の作品でも、畢竟は作者の私によって見られ感じられ叙述されるのではあるが、また、如何なる主観的手法の作品でも、畢竟は現実的実体を描出せんとするものではあるが、然し、普通は叙述の便宜な手段として使われる「私」なるものを、作者自身の私と同じ地位にまで引上げるこうした創作態度は、作品に特殊な趣を与える。

作品の中で普通に最も叙述困難なのは、二人もしくは数人の対坐した情景である。