Classiques japonais avec furigana
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じゅんすいしょうせつろん
純粋小説論
横光 利一
Lisez 純粋小説論 (じゅんすいしょうせつろん) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 519 caractères · 24 écrans
また同じ作者の悪霊にしてもそうであり、トルストイの戦争と平和にしても、スタンダール、バルザック、これらの大作家の作品にも、偶然性がなかなかに多い。それなら、これらはみな通俗小説ではないかと云えば、実はその通り私は通俗小説だと思う。しかし、それが単に通俗小説であるばかりではなく、純文学にして、しかも純粋小説であるという定評のある原因は、それらの作品に一般妥当とされる理智の批判に耐え得て来た思想性と、それに適当したリアリティがあるからだ。
私は通俗小説にして純文学が、作者にとって、一番困難なものだと読売で書いたが、ここに偶然性と感傷性との持つリアリティの何ものよりも難事な表現の問題が、横わっていると思う。純粋小説論の難儀さも、ここから最初に始って来るのだが、いったい純粋小説に於ける偶然(一時性もしくは特殊性)というものは、その小説の構造の大部分であるところの、日常性(必然性もしくは普遍性)の集中から、当然起って来るある特殊な運動の奇形部であるか、あるいは、その偶然の起る可能が、その偶然の起ったがために、一層それまでの日常性を強度にするかどちらかである。