Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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しみこぼれ

紙魚こぼれ

木暮 理太郎

Lisez 紙魚こぼれ (しみこぼれ) de 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 971 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

女は越後からどう山越しをして来たか、欠落者のやかましかった当時、随分苦しい山旅を続けたことであったろう。頭に草履をゆい付け、四つ這いに匍わせて山を追下したのは頗る滑稽であるが、これは禁制の山へ上ったのは人間ではないのだという意味からであろう。

下野屋十右衛門を祗闌といふ、大山参の納太刀を三間半程に拵へ、所の若い者四五十人に揃のゆかたみな/\に着せ、掛念仏にて大通り芝口より高輪へ差かゝり、自分は好のゆかた鮫鞘の大腰差て、ふとん重ねたる駕に乗り左右の戸をひらかせて、先達してほどなく品川の宿入口にさしかゝる比、跡より召捕の御役人方来りて、祗闌を駕より引ずりおろし高手小手に縄を掛、同勢引返されて早速入牢に及ぶ、余り大行成事身分不相応の旨御咎を蒙り、しばらくが間牢内に居るこそ珍らしけれ。

弘化三丙午春弥生の序ある『十八大通』の「大山参納太刀」の一項である。大小の会旗を押立て振立てヨイショヨイショと山へ押出す心持と古今の差こそあれ変りはない、祗闌氏生れ時がわるくてお気の毒であった。

駿州富士山并相州大山参詣の者共御当地より東海道神奈川宿辺迄海上船にて罷越候に付、旅籠屋并商人共助成薄く難儀致候に付、船往来差留之儀品川宿より願出候。