Classiques japonais avec furigana
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さいきこうい
細木香以
Lisez 細木香以 (さいきこうい) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 332 caractères · 45 écrans
有中は供に立つ約束をして置きながら、出発の間に合わなかったので、三枚肩の早打で神奈川台へ駆け附け、小判五枚の褒美を貰い、駕籠舁も二枚貰った。
香以は途次藤沢の清浄光寺に詣で、更に九つの阿弥号を遊行上人から受けて人に与えた。
十
香以は旅から帰った後、旧に依って稲本に通っていた。相方は小稲であった。然るにこの頃同じ家に花鳥と云う昼三がいた。花鳥は恐るべき経歴を有していた。ある時は人の囲いものとなっていて情夫と密会し、暇を取る日に及んで、手切金を強請した。ある時は支度金を取って諸侯の妾に住み込み、故意に臥所に溺して暇になった。そしてその姿態は妖艶であった。
花鳥は廊下で香以に逢うごとに秋波を送った。ある夕小稲が名代床へ往って、香以が独無聊に苦んでいると、花鳥の使に禿が来た。香以はうっかり花鳥の術中に陥った。
数日の後であった。大引過の夜は寂としていた。香以は約を履んで花鳥の屏風の中に入った。忽ち屏風をあららかに引き退けて飛び込んだものがある。それは小稲の番新豊花であった。
香以は豊花に拉いて往かれて座敷に坐った。鶴彦は急使を以て迎えられた。