Classiques japonais avec furigana
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さいきこうい
細木香以
Lisez 細木香以 (さいきこうい) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 332 caractères · 45 écrans
隠居した後も、道を行きつつ古草鞋を拾って帰り、水に洗い日に曝して自らみ、出入の左官に与えなどした。しかし伊兵衛は卑吝では無かった。某年に芝泉岳寺で赤穂四十七士の年忌が営まれた時、棉服の老人が墓に詣でて、納所に金百両を寄附し、氏名を告げずして去った。寺僧が怪んで人に尾行させると、老人は山城河岸摂津国屋の暖簾の中に入った。
二
竜池は家を継いでから酒店を閉じて、二三の諸侯の用達を専業とした。これは祖先以来の出入先で、本郷五丁目の加賀中将家、桜田堀通の上杉侍従家、桜田霞が関の松平少将家の三家がその主なるものであった。加賀の前田は金沢、上杉は米沢、浅野松平は広島の城主である。
文政の初年には竜池が家に、父母伊兵衛夫婦が存命していて、そこへ子婦某氏が来ていた。竜池は金兵衛以下数人の手代を諸家へ用聞に遣り、三日式日には自身も邸々を挨拶に廻った。加賀家は肥前守斉広卿の代が斉泰卿の代に改まる直前である。上杉家は弾正大弼斉定、浅野家は安芸守斉賢の代である。
父伊兵衛は恐らくは帳簿と書出とにしか文字を書いたことはあるまい。然るに竜池は秦星池を師として手習をした。