Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lisez 細雪 (ささめゆき) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 226 715 caractères · 431 écrans

Aozora Bunko

それも昼間だけならよいが、夕飯の席に加わらないことが余りつづくと、さすがに貞之助も顔色の冴えない折があるので、幸子は人知れず気を遣わねばならなかった。そう云う晩には、夫も、彼女も、雪子も、なるべく「こいさん」と云うことを口にしないようにしたが、お互にそう努めていることが分るだけに気まずかった。それに又、悦子に与える影響と云うことも案じられた。悦子は母や雪子から、こいさんの帰りの遅いのは近頃製作が忙しいからだと云われていたけれども、それを決して信じていないことは明かで、彼女も晩の食卓では誰に教えられるともなく妙子の噂をしないようになっていた。幸子は妙子に、せめて夫や悦子の眼に触れないような心づかいをしてくれるように、たびたび注意して見たけれども、ふん、ふん、と云って聞き流すだけで、そのあと二三日は早く帰るが、直ぐ又もとの通りになった。

「お前、この間姉ちゃんに、こいさんのこと話しといてくれたか」

と、或る晩、夫はとうとう怺えかねたように云った。

「話そう思いましたけど、つい折がのうて、………」

「何で」

と、夫の声には例になく詰るような調子があった。

「実は雪子ちゃんに相談したら、姉ちゃんには話さんと置いた方がええやろ云いますよってに、………」