Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lisez 細雪 (ささめゆき) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 226 715 caractères · 431 écrans
神戸の井谷の店であると、こう云う場合に顔を利かして我が儘を云い、順番を胡麻化して貰う手があったが、ここではそう云う手を使う余地がなく、待合室に待っている間も、周囲がいずれも見も知らぬ純東京の奥様や令嬢ばかりで、誰一人話しかけてくれる者もいない。二人は小声で語り合うのさえ、上方訛を聞かれることが気が引けるので、さながら敵地にいる心地で身をすくめながら、あたりでぺちゃくちゃ取り交される東京弁の会話に、こっそり耳を傾けているより外はなかったが、今日は大変込むんだわね、と、一人が云うと、そりゃそうよ、今日は大安だもんだから御婚礼がとても多いのよ、美容院は何処も大繁昌よと、一人が云っている。幸子は、成る程そうだったのか、それでは井谷が送別会を今日にしたのも、雪子のために縁起を祝ってくれたのかも知れない、と心付いたが、そう云ううちにも客が後から後からと詰めかけて来、済まないけれどあたし時間の約束があるんで、………と、例の手を使って二人も三人も先に這入って行くのであった。幸子たちは十二時前に此処へ来たのに、やがて二時になってしまい、五時と云う今夜の会に間に合うかどうか心もとなく、二度と再び資生堂なんかへ来るものではないと、腹立たしさを怺えながら苛々していたが、出がけにトーストを食べただけなのが今になると答えて、たまらなく