Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lisez 細雪 (ささめゆき) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 226 715 caractères · 431 écrans
但し、中の二人は何か話し合っていて気が付かなかった様子であったが、
「お春どん、旦那さんにも悦子にも云うたらいかんよ」
と、幸子は直ぐに口止めをした。お春は幸子の顔色が急に変ったのを看て取ると、自分もひどく真剣な表情をして、
「は」
と答えたきり俯向きながら歩いていたが、幸子は動悸を静めるために、一丁程先を行く貞之助と悦子の後影に眼を遣りながら、わざと歩調をゆるめつつ歩いた。そして、そう云う時によく指の先が冷えて来るので、知らず識らずお春の手を握っていたが、黙っていると余計息苦しくなるので、
「お春どん、あんた何か、こいさんのこと知らん?………こいさんこの頃、ちょっとも家に落ち着いてないようやけど、………」
と、云うと、お春は又、
「は」
と答えた。
「なあ、何ぞ知ってたら云うて欲しい。………今のあの人から電話懸って来るようなことあれへなんだ?………」
そう云うと、お春は、
「電話はどうか存じませんけど、………」
と、モジモジしていたが、やがて口の内で附け加えた。
「………実はわたくし、先日西宮で二三遍お遇いしたことがございました」
「今のあの人に?」
「はあ、あの、………こいさんにも、………」