Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lisez 細雪 (ささめゆき) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 150 580 caractères · 287 écrans

Aozora Bunko

「そうかて、あたしを呼ばはるねんもん。………」

幸子はそれから化粧室へ這入って行ったきり、二十分程姿を隠していたが、やがて一層青い顔をして戻って来た。と、陣場夫人がまた、

「ちょっと」

と云って呼んだので、貞之助は溜りかねて、

「いや、僕が行こう」

と、立って行った。

「あの、あれはまだ体の工合がほんとうでないので、………どう云う御用か、僕に仰っしゃって下さいませんか。………」

「あ、左様でございますか。実はあの、自動車が二台来ているのでございますけど、一台の方へ野村さんと、雪子さんと、私が乗りまして、一台の方へあなた方御夫妻と、宅の主人が乗ることにしましてはどんなものでございましょうか」

「さあ、………野村さんの御希望なのでしょうか」

「いえ、そう云う訳ではないんですが、ただちょっと、そんな風にしたらどうかと思い付きましたものですから、………」

「さあ、………」

貞之助は何となく不愉快さが込み上げて来るのを、顔に現わさないようにするのに骨が折れた。今日は幸子が体の支障を堪え忍んで、多少危険を冒しつつ出席するのであることは、昨日から通告してあるのだし、さっきからたびたびそれを匂わしているのに、陣場夫婦はそう聞かされながら、一言半句も見舞や同情の言葉を吐かないのが、何より貞之助は不満であった。