Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜつえんたい

絶縁体

豊島 与志雄

Lisez 絶縁体 (ぜつえんたい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 752 caractères · 38 écrans

Aozora Bunko

その籠の中に、たいてい、スケッチブックを入れていた。それからたいてい、太い杖か一管の尺八を持っていた。竹籠は買物のためであって、いろいろな品物でふくらんでることがあった。スケッチブックはめったに使われることがなかったが、なにか興趣ひかれる事物に出逢った場合のための用意だったろう。それから、杖はよいとして、尺八に至っては誰にも合点いかなかった。然し、近隣の人々は、深夜、嚠喨たる尺八の音を度々聞かされていたし、たぶん、手馴れてるままに彼はそれを携えていたのであろう。

そのような姿で、市木さんは飄々乎と歩いていた。近所の人々に出逢っても、会釈もせず、振り向きもしなかった。人々の方でも、微妙な気持ちから、なんとなく素知らぬ風を装うのだった。市木さんはいつも真正面を向いていて、左右に眼を配ることなく、後ろを振り返ることがなかった。周囲に全然無関心のようだった。

幅の広い街路などには、子供たちが集まって騒いでることがあった。そういう所も、市木さんはすーっと、然しゆっくりと、真直に通りすぎていった。子供たちはへんに静まって、市木さんの後ろ姿を見送り、それからまた騒々しい遊びを始めるのだった。