Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おだのぶなが

織田信長

坂口 安吾

Lisez 織田信長 (おだのぶなが) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 950 caractères · 36 écrans

Aozora Bunko

悪童信長は街を歩きながら、栗をくい、餅をほおばり、瓜にかぶりつき、人の肩によりかゝったり、つるさがったりしなければ歩かなかった。呆れ果てたるバカ若殿、大ウツケ者、それが城下の定評であった。

信長を育てた老臣平手中務は諌言の遺書を残して自殺した。その忠誠、マゴコロは、さすがの悪童もハラワタをむしったものだ。悪童は鷹狩で得た鳥を高々と虚空へ投げて、ジジイ、これを食え、と言った。水練の河辺に立って、時々ふと涙ぐみ、川の水を足で蹴りあげて、ジジイ、これをのんでくれよ、と叫んだ。おのれを虚うするものゝみが、悪党の魂に感動を与える。信長が秀吉の忠誠に見たものも、おのれを虚うするマゴコロだった。家康の同盟に見たものも、それにちかい捨身の律義であった。不逞の野望児信長は、せめて野望の一端がなる日まで、マゴコロのジジイを生かして、見せてやりたかったであろう。然し、悪童の狂態は、ジジイの諌死にかゝわらず、全然変りは見られなかった。

マゴコロのジジイは大ウツケ者のバカ若殿の未来を按じて、隣国の斎藤道三の娘をもらって信長にめあわせた。斎藤と織田は美濃と尾張に隣り合せて、年来の仇敵であり、攻めたり攻められたり、互角に戦って持ちこたえたが、バカ若殿の代になると、たちまちやられる憂いがある。