Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わなにかかったひと

罠に掛った人

甲賀 三郎

Lisez 罠に掛った人 (わなにかかったひと) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 112 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

彼は玉島の標札を見上げながら、ふと、こんな事を考えた。そうして、何心なく潜戸を見ると、どうしたのか細目に開いていた。彼は眼に見えない何物かに引摺られるように、潜戸を押した。潜戸は訳なく開いた。彼はフラフラと中に這入った。玄関もどうした事か開け放しになっていた。彼は二階から洩れて来る燈火を頼りに、階段を上った。彼はフラフラと燈火のついている部屋に這入った。すると、玉島が起きていて、彼を怒鳴りつけた。彼は夢中でそこに落ちていた短刀を拾い上げた。そうして、玉島を刺し殺した。

机の上に紙幣があるのが眼についた。彼はそれを懐中に捻じ込んだ。彼は金庫に眼をつけて開けようとしたが、それは駄目だった。そのうちに恐ろしくなって、家を飛び出し、当もなくうろついているうちに、巡回の警官に怪まれて、最寄の警察署の留置場に入れられていたのが、今日昼頃初めて玉島を殺した事を自白したのだった。

「まあ、気の毒な人ね」

読み終った伸子は、顔を蒼くして溜息をつきながら云った。彼女は然し未だ夫の嘘には気づいていないらしかった。

友木は死人のように蒼ざめた顔を上げて、一つ所を見詰めながら、吃り吃り云った。