Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よしつねのむすめ
義経の女
山本 周五郎
Lisez 義経の女 (よしつねのむすめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 735 caractères · 8 écrans
そしてそのまま、内庭のほうへ眼をやってぼんやりしていると、中門のあたりでにわかに騒がしい物音が聞え、あわただしく廊を踏んで良人の有綱がはいって来た。つねには起ち居のおだやかな良人なのに、はいって来たようすも乱がわしく、顔つきもいくらか蒼ざめているので、千珠はなにも聞かぬうちから胸がおどった。
「千珠、ことができた」と有綱は低いこえで云った、「河越城へにわかに鎌倉から兵が寄せて、重頼どのをお討ち申したというぞ」
千珠の額がさっと蒼くなった、それはまことでございますか、そう訊こうとしたけれど、舌が硬ばってしまったし、訊くまでもないということがすぐに頭へひらめいた。
「急ぎの使者で、くわしいことがわからないから、すぐようすをさぐらせに人をやった、鎌倉へも使をだしたが、伊予守どののゆかりになってお討たれなすったとすれば……」
そこまで云いかけて、有綱はあとをつづけることができなくなり、「わが身もそなたも、心をきめておかなければ」とつぶやくように云って、対屋のほうへ出ていってしまった。
いよいよそのときが来た。千珠はそう思った。二年まえ、文治五年の夏に、伊予守義経がみちのくの衣川で討たれたときから、こうした日が来るのではないかと案じていた。