Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうふうふ
老夫婦
黒島 伝治
Lisez 老夫婦 (ろうふうふ) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 957 caractères · 27 écrans
「ほいたって、ほかにましな着物いうて有りゃせんがの、……うらのを笑いよるんじゃせに、お前のをじゃって笑いよるわいの。」
「うらのはそれでも買うたんじゃぜ。」じいさんは自分の着物を省みた。それは十五年ばかり前に、村の呉服屋で買った、その当時は相当にいゝ袷柄だった。しかし、今ではひなびて古くさいものになっていた。ばあさんの手織縞とそう違わないものだった。
「もっとましなやつはないんか?」
「有るもんか、もう十年この方、着物をこしらえたことはないんじゃもの!」ばあさんは行李を開けて見た。
絹物とてはモリムラと秩父が二三枚あるきりだった。それもひなびた古い柄だった。その外には、つぎのあたった木綿縞や紅木綿の襦袢や、パッチが入っていた。そういうものを着られるだろうと持って来たのだが、嫁に見られると笑われそうな気がして、行李の底深く押しこんでしまった。
ばあさんは、屋内の掃除から炊事を殆ど一人でやった。園子は朝起ると、食事前に鏡台の前に坐って、白粉をべったり顔にぬった。そして清三の朝飯の給仕をすますと、二階の部屋に引っこもって、のらくら雑誌を見たり、何か書いたりした。