Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうがいのけんこうとし
耄碌寸前
森 於菟
Lisez 耄碌寸前 (おうがいのけんこうとし) de 森 於菟 (もりおと) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 925 caractères · 89 écrans
月の夜、雪の朝ことに景色よく、夏の夕の趣もまた捨てがたかった。
庭の蝉しぐれのようやく絶えたころ、この広間の東南に折廻してつけた廊下の角の辺に座をとった祖母と幼い私、それに他家から遊びに来た叔母や従兄妹達が、谷底のように見降す町の暮れゆくと共に、ポツリポツリ現われる燈火が、やがて数を増していさり火のように見えるのに歓呼しながら、香炉の代用にした灰皿にくべた蚊やりのための除虫菊から立つ煙を団扇で払い、またわざと電燈をつけぬ薄暗い中で、覚つかない手もとに錫の匙で氷水のコップを掻き廻していると、子供の耳には地軸をゆるがすごとき轟音と共に、上野の森のはずれをおおう夜空を限って五彩のシャンデリヤが砕け散る。そんな両国川開きの楽しさは、今なお私の記憶の中に生きている。
この観潮楼上の広間はその新築後、父が明治三十二年九州の小倉に第十二師団軍医部長として赴任するまで書斎として使用され、「目不酔草」の合評会が行われた。このころのことを佐佐木信綱さんが新小説の臨時増刊号「文豪鴎外森林太郎」に「雲中語」の思い出として語られたものがある。
「日清戦役に赴かれる為にしがらみ草紙の刊行を中止された森さんは、戦役が終って帰って来られてから、めざまし草を発刊された。