Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みみこうすい
耳香水
大倉 燁子
Lisez 耳香水 (みみこうすい) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 465 caractères · 29 écrans
よもや続けて今夜も来るたあ思わなかった。運の悪い時あ何でも悪くいくんだ。あの女給さんが、真青になって、人殺し! 人殺し! なんて云わなかったら、こんな大騒ぎにもならなかったんだし――』
『それや仕方がないわ。誰だって吃驚しますよ。ねえ、先生。そうでしょう? 自分の借り切ってる部屋に、知らない男が死んでいるんですからね。おまけにあの人ッたら、ぶよぶよ肥っていて、鼻血なんか出しているんですもの、気味が悪いわ。でもあの女給さんは気丈者ですよ。私だったら気絶しちまうわ』
『女給さんって、どんな人ですの?』と私は二人に尋ねてみました。
『染々顔を見たことはないんですが――。いつも夕方の忙しい、お客さんの立て込んだ時にやって来てね、自分で鍵を有っていますから、帳場にも寄らないで、すうッと階段を昇っちまって、またいつの間にか帰っちまってるんですからね。泊って行くってことはないし、食堂には出て来ないし、月定めで室は借りていても、たまあにしか来ないんですよ。だから正直のところ、どんな顔だなんて訊かれるとちょっと返辞が出来ないんです。だがあの女給さんなかなかの浮気者ですよ。