Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいかぞく

聖家族

小山 清

Lisez 聖家族 (せいかぞく) de 小山 清 (こやまきよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 523 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

イエスは母親の姿を見て、喜びの声をあげ、父親の腕から躯を乗出すようにした。若い夫婦は目を見交して笑い合った。

マリヤはイエスを胸に抱きとって、ヨセフの顔を窺った。

「坊や、泣きましたか。」

ヨセフは云いわけでもするようにうなずいた。

「おなかが空いてきたんだろう。」

井戸の傍には臼形をした水鉢がある。そのわきに一匹の牡牛が繋がれていて、はげしい喉の渇きを癒そうとするらしく、さかんに水鉢の水を飲んでいた。この柔和な動物も、一日の義務を終えたところなのだろう。

ヨセフは手をのばして牡牛の背をなでながら、マリヤに向って、さも同意を促すかのように、

「この牛は似ているじゃないか。」

「似ているって、なにに?」

「ほら、この子が生れたとき、馬小屋にいたあの牡牛にさ。」

「まあ、お前さんたら。」マリヤは、ずっと後になって多くのすぐれた画家たちが彼女の肖像のうえに描いた、あの優しい潤いのある目をまるくして、「牛なんて、みんな似たり寄ったりですよ。」

「そう云ったものでもないさ。ごらん、この鼻づらのへんを。よく似ているじゃないか。おれは見覚えがあるんだ。」

そう云って、ヨセフはその自分の冗談に自分からにやにやした。