Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はだいろのつき

肌色の月

久生 十蘭

Lisez 肌色の月 (はだいろのつき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 706 caractères · 101 écrans

Aozora Bunko

私の出来ることでしたら……」

そういうと、お辞儀をして、あたふたと帰りかけた。

「石倉さん……」

はあ、といって石倉が戻ってきた。

「あなたバンガローの鍵を預っていらっしゃるんだって?」

「鍵?」

「どれでもいいから、ひとつ開けておいてくださらないかしら」

「バンガローは三十ほどありますが、鍵のかかるのは一つもありません。空いてさえいれば、誰でも自由に入れるようになっているので……それで、どうなさろうというんですか」

「ゴタゴタするのはかなわないから、そっちへ移ろうと思うの」

石倉は怒った犬のような眼つきになった。

「気持はわかるが、そうなさらないほうが、お為でしょう」

「お為って、なんのこと?」

「御本宅でも、警察でも、あなたがここにいられることは知っているんですから」

「どうしてなの」

「私がいいました。隠してはおけないことだから……バンガローへ移ってみたって、ゴタゴタするのはおなじでしょう。遠くへ逃げるというのなら、話はべつですが」

「なにか意見がありそうね。伺うわ……あたしにどうしろというんです」

「あなたは、昨夜から、ずうっと大池さんといっしょにいらした……奥さまやご子息さまも、あなたの話を聞きたいところだろう……あなたにしても、それくらいのことをするのが、世間一般の義務ってもんじゃないですか……これから、深いところを