Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Lisez 肌色の月 (はだいろのつき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 706 caractères · 101 écrans
昨夜、大池と二人で夕食をしたとき、食べものか食後の飲みものに、相当大量のブロミディアをまぜて飲まされた……これはまちがいのないとこらしい。
酩酊状態の深い眠りが、その証拠だ。癌にたいする精神不安と、はげしい仕事のせいで、このところ、ずうっと不眠がつづいている。マキシマムに近い量のブロミディアを飲んで、やっと三時間ほど眠る情けない日常だ。
湖心に漕ぎだしてから飲むつもりで、昨夜はブロミディアを使わなかったのに、湖畔から帰るなり、広間の長椅子のベッドにころげこんで朝の五時ごろまで眠った。大池が広間を通ってロッジから出て行ったはずだが、それさえも知らなかった。
空が白みかけたころ、ボートをさがしに出て行った。永劫とも思える長い時間、靄の中を茫然と歩きまわり、辷ったり転んだり、湖水に落ちこんで、頭からびしょ濡れになったりしたが、夢の中の出来事のようで、細かいことはなにひとつ記憶にない。
禁止に近い量を常用しても、よく眠れないのに、あんな昏睡のしかたをしたところから推すと、よほどの大量を使ったのにちがいない。殺すつもりででもなければ、やれないことだ。
ほかにも、疑えば疑えることがある。