Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Lisez 肌色の月 (はだいろのつき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 706 caractères · 101 écrans
こちらもいろいろと古傷を持っているから、警察と係りあうのはありがたくないが、こんどばかりは、もう黙っていない」
発条のゆるんだ煖炉棚の時計が、ねぼけたような音で十一時をうった。
話を終りにさせるつもりで、久美子はおっかぶせるようにいった。
「大池さん、十一時よ……あと七時間……いままで保った心臓なら、明日の朝まで保つでしょう。しゃべるのはそれくらいにして、すこし眠ったらどう」
胸にたまっていたものを吐きだしたので、気持が楽になったのか、大池は素直にうなずいた。
「眠れるかどうか、やってみる……赤酒をください。三十CCぐらい……心臓というのは気むずかしいやつでね、交際いきれないよ」
久美子はコルクの栓を抜き、いいほどにタンブラーに赤酒を注いで渡した。大池は小鳥が水を飲むように、時間をかけてチビチビと赤酒をすすりこむと、眠るつもりになったらしく、クッションに頭をつけて眼をとじた。
なんとなく静かな顔つきになったと思ったら、大池は鼾をかきはじめた。
湖水のほうから来る風が、潮騒のような音をたてて林の中を吹きぬけてゆく。風の音と鼾の音が一種の階調をつくって、ひとを睡気にさそいこむ。