Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lisez 脱線息子 (だっせんむすこ) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 293 caractères · 221 écrans

Aozora Bunko

未だ縁談はこれといって問題にするほどのがないそうだから、然う急ぐにも及ばない」

「いゝえ、あなた、手廻しは早いに越したことはございませんよ」

と母親が口を出して、新太郎君の意向を代表してくれた。

「まあ、待ちなさい。何れその中然るべき人を通して御両親へ申入れますから、宜しくお執成しをとまで漕ぎつけたのが一昨日のことで、それから昨日の騒ぎさ。松浦さんは大慌てをして帰ってしまった。俺はもう少し確かなところを聞いて置きたかったが、そんなことを言っている場合じゃない。肝心のお父さんが家中を呼び寄せるような容態では、まあ、好い塩梅に持ち直すにしろ、万一このまゝいけなくなるようなら尚おのこと、こゝ当分は一頓挫だ」

「あの病気は二三日持てば取り止めるそうですが、後が長いそうでございますよ」

「何ういう御病気ですか?」

と新太郎君が訊いた。

「脳溢血さ。松浦さんも然うだろうと見当をつけて案じていたが、果して一番いけない奴だった」

と父親は帰着後間もなく電話で問い合せたのである。

「そうして何んな御容態ですか?」

「未だ意識不鮮明だそうだ。余程重いらしい。ところで先刻言った見舞いのことだが、俺も唯二週間だけれど、松浦さんにはあんなに御懇意に願っていたんだから、電話をかけた丈けでそのまゝ黙ってもいられない。