Classiques japonais avec furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lisez 脱線息子 (だっせんむすこ) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 293 caractères · 221 écrans
と奥さんが考えて決定ばかりか注意までしてくれる。清次郎氏はいくら動かしたくても言葉を返す次第に行かない。ノコ/\と植木屋のところへ戻って来て、
「考えて見たが、あれはあのまゝにして置こう。松はうっかり手をつけると枯れるよ」
と自分の決定のように申渡す。松浦家は地所以外に家作を沢山持っているから、職人の出入が多い。大工や左官が代り/″\に押しかける。主人公は一々考えなければならない。
貞子夫人は自分から相談を持ち出すこともある。然ういう折は、
「あなた、あれは斯う決めましたが、如何でございましょうね?」
という形式を用いる。単に事後承諾を求めるのだから、清次郎氏は、
「宜かろう」
と答える外仕方がない。数年前、長女の操さんに婿養子を迎える場合もこの通りだった。
「あなた、操には小早川の友三郎を貰うことに決めましたが、如何でございましょうね?」
と貞子夫人が切り出して以来、主人公は時々経過の報告を承わるに過ぎなかった。実は父親として自分にも多少考えがあったのだけれど、それを言い張れば夫人の意向を郤けることになる。流石の好人物も心平かならぬを覚えた。そこで或日のこと、結納の相談で事後承諾を求められた時、