Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のうのなかのれいじん

脳の中の麗人

海野 十三

Lisez 脳の中の麗人 (のうのなかのれいじん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 774 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

自分がこうして再生して、全快するまでには、こうした大きな犠牲もあったのであるか。前代未聞の脳の売買だ。黒木博士は、やりもやった。またこの矢部青年も、よく売ったものである。

「一体、君はどの位の値段で、脳の一部とかを博士に売ったのですか」

「それは――」といいかけて、矢部は俄に口をつぐんだ。そして悲しげな顔になって、「それは云うのをよしましょう。とにかく莫大な金でした。大きな土地を買って、りっぱな邸宅をたてることができるくらいの金でした」

宮川は、脳の一部の値段が、そんなに高いものかと、聞いておどろいた。矢部の口ぶりからすれば、すくなくとも五六万円らしい。それだのに、彼は一年たつかたたないうちにその莫大な金を使いはたし、いまたった五十円の金に困って無心をしているのだ。なんとかいう女のためとはいえ、あまりにもはげしい金の使い方だった。宮川は、その点に不審をおこした。矢部のいうことは嘘言ではないか。

「いいえ、うそではありません。たしかにそれくらいの金は握ったんです。それをどうして使ってしまったというのですか。それはですね」と矢部は宮川の方へ顔を近づけていった。