Classiques japonais avec furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lisez 自叙伝 (じじょでん) de 大杉 栄 (おおすぎさかえ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 115 021 caractères · 230 écrans
そして別に『東京遊学案内』という本をも買った。
幼年学校を退校する決心ではもとよりなかった。もう自由を欲するなどというはっきりした気持ではなく、ただ何となく憂欝に襲われて仕方がなかったのだ。そしてぼんやりとそんなものを手に入れて、それを読むことによって軽い満足を感じていたのだ。
学校に帰ってからも、しばらく、そんな憂欝な気が続いた。そして一人で、夜前庭のベンチに腰をかけて、しくしく泣いているようなこともしばしばあった。
が、すぐにこんどは、兇暴な気持が襲うて来た。鞭のようなものを持っては、第四期生や新入の第五期生をおどして歩いた。下士官どもに反抗しだした。士官にも敬礼しなくなった。そして学科を休んでは、一日学校のあちこちをうろついていた。
軍医は脳神経衰弱と診察した。そして二週間の休暇をくれた。
学校の門を出た僕は、以前の僕と変らない、ただ少し何か物思いのありそうな、快活な少年だった。そしてその足ですぐ大阪へ行った。
大阪には山田の伯父が旅団長をしていた。僕は毎日、弁当と地図とを持って、摂津、河内、和泉と、ところ定めず歩き廻った。どうかすると、剣を抜いて道に立てて、その倒れる方へ行ったりもした。