Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lisez 自由人 (じゆうじん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 030 caractères · 139 écrans

Aozora Bunko

清水町の家からこの池のほとりへ逍遥に出てくると、たいてい、あらゆる屈託が晴れるのである。

池の大部分は、戦時中からの名残りの田圃で、爽かな稲の葉先を微風が渡っていた。そこをぐるりと廻って、西側のボート小屋の近くへ来ると、蓮の葉が重なり合って茂っている。後れ咲きの小さな花もあるが、既に大きくなってる実の方が多い。北村は単衣の着流しの足を留め、籐のステッキを両手でついて、蓮を眺めた。画家としての視力に、彼の精神は集中してくる……。

すぐ後ろに、無関係な通りがかりの人とは違った、なにか気配を感じて、彼が振り向くと、松本千重子の空色の洋装姿が、微笑んでいた。

「なんだ、君か。」

「ずいぶん、一心に見ていらしたわね、これで、花の見おさめ、と思っていらっしゃるみたいよ。」

「そんなことを言うから、君はだめなんだ。私は花を見ていたんじゃない。蓮の葉と蓮の実、これが面白い。ただ少し……。」

「柄が長すぎる。」

「ばか、色彩が足りない。」

「だって、小父さまの絵は、実物にないような色でも、自由自在にお塗りなさるんでしょう。色は物にあるのでなく、光線にあり、でしょう。」

「そう、その通り。