Classiques japonais avec furigana
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せんいのたちば
船医の立場
菊池 寛
Lisez 船医の立場 (せんいのたちば) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 712 caractères · 22 écrans
孤島のうちに空しく眠っている可憐な国民を、精神的に呼びさますことではないか。しかるに、今われわれの喚問に最初に答えたこの愛すべき先覚者、国民全体の触覚ともいうべき聡明叡知なる青年の哀願に、聾いたる耳を向けるということは、われわれが帯びている真の使命に対する反逆ではなかろうか。二人の青年を、日本政府の役人の目から隠して、日本政府の感情を傷つくることなしに本国へ送ることは、もしそれをやろうと思いさえすれば、はなはだ容易なことである。私は、提督がわが国建国以来の精神たる正義と人道との名において、この青年の志望に耳をかさんことを切望するものである」
ゲビスの熱弁は、すべての人を動かした。剛復な、かつて自説を曲げたことのない艦長でさえしばらくの間、黙っていた。
提督の顔にも、著しい感動の色が浮んだ。彼の心が、二人の日本青年の利益のために動いたことは確からしかった。彼は、やや青みがかっている顔を上げて、一座を見回した。
「ほかに意見はありませんか。ウィリアムス君! ワトソン君?」
そのとき、ワトソンはふと、さっき日本の青年の一人がランプの光で字を認めているときに、その手指に無数に発生していた伝染性腫物のことを思い出した。