Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
「なんという方ですの?」
「熊丸虎市、とか、いやはりました」
「恐い名ですこと」
二人は、顔見あわせて、ころころと、笑った。
「それが、おマンはん、恐いどころか、えろう優しい、……新之助はんの口でいうと――二十日鼠みたよな、色白で、コチョッコリした、おとなしい人。……やそうやし。――監獄ちゅうところは、どんな悪い奴ばかり来とるところかと思うたら、みんなええ人間ばかりじゃ。娑婆でのさばっとる奴等の方に、よっぽど悪人が居る。……そないなことも、いうてはりました」
君香の話は、明かるいことばかりである。マンも、新之助と彼女との新生活をよろこぶ気持に変りはない。それにもかかわらず、マンの心に、えたいの知れぬ不安の気持がわき、かすかながら、不思議な動悸が打つ。牙と歯のするどい猛獣のうようよしているジャングルで、料亭をひらき、興行をするという森新之助、そして、そのことの、夫金五郎へのつながり――マンの予感と予見とは、かならずしも、空虚の中に幻影を見る、錯覚だけでもないように思われた。
君香は、金五郎が帰ったら、すぐ連絡してくれるようにと、若松の住所を書き、土産のウニを置いて、いそいそした足どりで、帰って行った。