Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

大きな握り飯三つに、これも太く輪切りにした沢庵の片が五つ、これが一人前、竹の皮で巻かれ、古新聞に包まれる。敏速に、出来る端から、籠に詰められる。

永田ヨネを加えて、女仲仕たちが四人、弁当作りに、余念がなかった。

「おトキさん」

と、マンが、一人の女を呼んだ。

「はい」

「あんた、すまんが、酒屋に一ッ走り、行って来ておくれんか。五升樽を二つ、すぐ、永田まで届けて下さい、って」

「一斗ですね? 行って来ます」

トキが門口を出ると、入れちがいに、永田組の印半纏を着た、少年のような男が、入って来た。「中学生」と愛称されている、谷俊次である。

「弁当、もう出来ましたか?」

「もう、じき、出来る。俊ちゃんが持って行ってくれるとな?」

マンは、「中学生」が、故郷にいる弟の牛三によく似ているので、可愛がっていた。

「はあ、僕が持って行きます」

俊次は框に腰をおろして、そこに置いてあった薬缶から、ゴクゴクと、咽喉を鳴らして、水を飲んだ。それから、思いだしたように、沢庵をきざんでいるマンの方を向いた。

「玉井の姐さん」

「はあ?」

「今、新川の岸壁から来たんですが、大庭の親分が、浜に出て居られましたばい」