Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
「はい」
マンは、青ざめた顔をしていたが、なに一つ、夫の言葉に抗わなかった。火の入った弓張提灯を持って、小走りに、出て行った。
家紋である「丸に橘」と、「玉井組」の字の入った、五十箇以上の弓張提灯に、すっかり、明かりがついて、光の花壇のようである。それを、玄関を中心に、ずらりと、掛け並べさせた。
眩しいほど、明かるい。
数匹の猫が、なにごとかと不思議そうに、きょろきょろしている。
マンが、笊に、ラムネを入れて、帰って来た。
「まあ、きれい」
と、提灯の満艦飾に、思わず、呟いた。
ラムネを、一本ずつ、みんな飲んだが、
「オヤジ、誰か来るのかね?」
さすがに、頭にぴんとひびくものがあって、源十が、不審顔で、訊いた。
「お客があるんじゃ」
「こんな夜中に? 誰が?」
「みんな」と、急に、金五郎は、あらたまった顔になった。「今夜、十二時をすぎたら、江崎満吉がなぐりこんで来る。相手は、おれが一人でする。玉井組は、喧嘩商売じゃないけ、お前たちに、喧嘩の巻き添えを食わせとうない。二階にあがって、絶対に、降りて来ることはならん。おれが斬られても、手出しするな。さあ、早く、あがれ」