Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
ひろい縁の麦藁帽をかぶっている方の男が、両手に持っている手綱と鞭とで、上手に、馬をあやつりながら、馬車を進める。金坊と呼ばれた方で、身体つきががっしりとし、肩幅がひろい。丸味のある顔は浅黒いが、まくりあげたシャツの先から出ているたくましい腕は、光るほど白い。
片方の青年は、ちんちくりんで、色が黒く、貧相たらしい。かぶっている鳥打帽も、煮しめたように垢じみ、穴がいくつもあいている。
二人とも、蜜柑山で掩われたこの村の青年だ。馬車の出発した、この部落の名は、愛媛県温泉郡潮見村字吉藤。
くねくねと、やたらに曲りくねった道を、馬車は、松山市の方へ進む。この「七曲り」といわれている街道は、昔、敵兵が攻めて来るとき、城の天主閣から、どの道に来てもわかるように、わざと紆余曲折させたものだという。
「金坊、お前んとこの嫂さん、やっぱり、いけんかい?」
「どうもこうも、いけんなあ。だんだん、いけずになるばっかりじゃ。おれをこきつかう分はかまわんが、兄に、ひどい陰口をいうには、へこたれる。――金五郎に気をつけにゃいけん、あれは、末ッ子の癖に、この玉井家を乗っとる腹じゃ。